彼の気持ち
ランチタイムの時間も過ぎ、店内も静かになってきたので、そろそろお店を出ようか…という話しになりました。
彼から、もう少し一緒にいたい…と言われ、完全に彼に心を開いていた私は、最初は躊躇していた彼との車での移動をしながら、車内で話しをしていました。
途中、コンビニで彼が飲み物を買ってくれて、そのまま駐車場に車を停めて時間を過ごしました。
「これからも会ってくれる?」
その彼の言葉の真意が何なのか、私は不思議でならなくて、どうゆう意味なのか、何で私なのか、私は彼に尋ねました。
その時に彼から「好き」という言葉を初めて聞きました。
何で?
何で私なの?
いつから?
私のどこが好きなの?
私でいいの?
私の疑問に、彼は全て答えてくれました。
私は恋をする資格はないし、彼の将来を奪うこともできない…
私と過ごす時間は、時間の無駄だよ…
お客さんとして、友達としてはダメ?
そんな会話をずっと繰り返していたような気がします。
私は彼の気持ちが嬉しいのに、素直に喜べない…
「ありがとう」とは言えても「これからも会いたい」と言う彼の言葉に頷くことができない…
自分の気持ちが分からない…
何が何だか分からない…
そんな想いから涙がポロポロ流れてずっと泣いていると、彼が優しく頭を撫でてくれていました。
こんな風に優しく頭を撫でられるなんて…私は今までの恋愛でもなかったような気がします。
私も本当は、また会いたい…
でも、そんなずるいこと出来ない…
そんな私に彼は言ってくれました。
「ずるいのは自分の方、勝手に好きになって勝手に気持ち伝えて…」
こんなにも正直に自分の気持ちを伝えてくれる…それなのに私は正直に気持ちを言えないなんて…本当に辛かった
でも、自分の気持ちに嘘はつけない
また会いたい…
また会って話がしたい…
「私でよかったら…」
家族に罪悪感がありながらも、自分の正直な気持ちを優先してしまいました。
彼は、私の家庭を壊す気はない、会える時に会ってくれればいい、と言ってくれました。
そして、あまり遅くなるとよくないと、その日も夕方には別れました。